音楽初心者の戯論

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徒然なるままに日々移りゆく音楽シーンを覗き見するだけのブログです。

チケット転売問題とその後の動きをまとめてみた

どうもこんにちは。

さて、昨今の音楽業界を騒がせているチケット転売問題ですが、100組を超えるアーティストが高額転売に反対する声明を出してから早いもので1年以上が経過しました。

www.tenbai-no.jp

現在も少しずつ賛同アーティストは増加しているようで、音楽業界全体がチケットの高額転売の撲滅に向けて動いていることがよく分かります。


というわけでですね、今回のテーマは「その後どうなったか」について。
つまり共同声明発表後1年が経った今、高額転売の対策がどのように実施されているのかについてまとめてみようと思います。


とはいえ上のリンクから活動内容についてのページに飛ぶこともできるのでそちらを参照していただいても構わないのですが、やはりメインの動きとすれば象徴的なものはチケットの電子化でしょう。


今や老若男女問わず多くの人がスマホを所有する時代。
これを使わない手はないということで、スマホを紙チケット代わりに利用するという方法が主流になってきました。

具体的には個々へのQRコードの割り当て、「EMTG」や「tixeebox」等スマホアプリを利用した認証型電子チケットなどの導入が挙げられます。

しかしQRコードではスクリーンショットができてしまうため対策としてはイマイチ。
アプリでは「申込者は原則譲渡不可」「チケット購入時に予め同行者を特定しておく」ことでチケット分配時の転売行為を減らしたり、どうしても行けなくなった場合には専用の(定額販売)サイトでのみ譲渡を可能とするなどの対策を講じています。

また2018年にはLINEチケットも登場し、LINE IDとチケット情報を紐付けしたりと所謂「個人情報に代わる個人特定材料」を使ったチケットも登場していることですし、まだまだ電子チケットの成長は続きそうです。

japan.cnet.com

まぁもちろんこうした電子チケットにも穴があるので完全撲滅とまではいかないでしょうが、確実に紙媒体のときより絶対数を減らすことはできるでしょう。

 

それから話題どころからはオリエンタルラジオ中田敦彦さんが考案した「ジャスト・キャパシティ・システム」という概念もありました。

lineblog.me

簡単に言えば会場のキャパを公言せずにチケットを売りに出し、売れた枚数によって会場を決定するというもの。
ただし予め3つくらいハコを仮押さえしておいて(キャンセル料なし)、売上枚数によってその中から決定するというシステム。

これはたしかに画期的でしたが、キャンセル料なしというのは難しいかもしれませんね。
1年先のライブならばまだしも、数ヶ月先となると他からの問い合わせをキャンセルしていたかもしれないのでその分はハコ所有者の損となってしまいます。


とはいえお笑い界でもこうして対策案が出されるくらい転売問題が深刻化していること、それがよく分かるようなニュースでした。

 


そして上でも少し書きましたがチケットの公式トレードサービスの開始も大きな動きの1つです。

これまで購入したチケットを誰かに譲渡しようにもオフィシャルなものがなく結果として高額転売サイトに流れていたのが、ここにきてやっと公式トレードサービスがスタート。

tiketore.com

当初は「使いづらい」「システムが複雑すぎる」「手数料が高すぎて高額転売とあまり変わらない」などの声も上がっていましたが最近では段々システムも整備されてそういったクレームも逓減しています。
電子チケットが台頭してきたとはいえまだメインストリームは紙チケットですから、こういったサービスの登場は高額転売の減少に一役買うことでしょう。

 

そして電子チケットを購入したがどうしても行けなくなった、そんな人のためにあるのが以下のサイト。

EMTG -エンタテインメントミュージックチケットガード-

DMM Passストア トップページ

定価トレード ticket board

他にもあるかもしれませんが、チケット出品時にはシステムが一時的にチケットを預かることで不正をなくすようにしているとのこと。
抜かりなく、とまではいかないのかもしれませんが、それでも講じられる策はきちんと為されているように思います。


僕個人の意見としては、現在高額チケット取引可能なサイトに「公演ごとにチケットの最高額を設定しろ。さもなくばサーバーを停止させるぞ」みたいな脅しを国がかければイイのではなんて安直に考えてしまうのですが。
もちろんこのことによってサイト自体の情報量が増えますしデータベース管理もかなり大変になりそうな気がしますが、原理的に不可能ではないと思うんですよね。
こういうことに関しては素人同然なのであまりヘタなことは言えませんが。

 


ところでですね、「どうしてチケットの転売がダメなのか」という疑問について皆さんはどのようにお考えでしょうか。

たしかに世間の風潮、大多数の意見として「チケットの転売はダメ!」という人が多いですが、ではどうしてダメなのか。それを今一度考えてみたいと思います。


とその前に、チケット転売は必ずしも悪影響しか及ぼさないわけではないということを述べておきます。
つまり(アーティスト側が)チケットの高額転売の恩恵に与る場合もあるということです。

それはズバリ、現行のファンクラブ制度があるということ。

チケットが転売ヤーによって買い占められた場合、つまりチケットを購入しようとしたが手に入らなかった人が多く居た場合、その人たちは次のチケット購入に備えてどのような行動を取るでしょうか。

もし有料ファンクラブに入ればチケットの入手確率が上がると知れば、そこに入会しようとする人が増えるでしょう。
CD購入者特典としてライブチケットの優先申込券が同封されていると知れば、元々配信だけで済ませようと思っていたけどCD購入しよう!というきっかけにもなるでしょう。

これはあくまで2例ですが、この他にも様々にアーティスト側の利益はあると思います。
別に僕は高額転売に賛成しているわけではありませんが、頭ごなしに否定するのもどうかと思うので参考までに。


さて、では「高額転売がなぜダメなのか」ということですが、僕が思うに「ライブグッズ売上が減るため」という考えがしっくり来るかと思います。
たしかに感情論として「楽しみにしているファンが転売ヤーのせいで高い金を支払うのは不条理」や「ファンでもないお金稼ぎ目的の人がチケットを占有するなんて許せない」という意見、そしてアーティスト側からも「転売のせいとはいえ空席が多いのは辛い」「自分たちを支えてくれているファンが高額転売のせいで苦しめられているから何とかしたい」という憎悪はあると思います。

しかし資本主義社会において「チケット転売で一儲けしてやろう」と考える人が出てくるのも不思議ではないわけで、それを感情論以外で否定しようとすると、僕は「グッズの売上が減るため」という答えに行き着きました。(もし他にもありましたら教えていただけると嬉しいです)
とはいえ昔は一般的に「ダフ屋」と呼ばれる人たちが暴力団関係者である割合が高かったため、裁かれるべき存在ではありました。しかし社会問題化し警察が睨みを利かせる昨今では、ダフ屋行為をおこなうのはもはや一般人のほうが多いでしょう。


ということでなぜグッズ売上が減るのかについて解説していきますと、まず転売ヤーの人たちは独自のプログラム(1秒間に10回クリックする」みたいなチートプログラム)を駆使して、チケットを大量入手するところからスタートします。
すると不正でも何でもチケットが大量に買い占められたわけですから、当然本来チケットを取れるはずだった人が取れなくなるという現象が起きます。

そこでチケットを取れなかった人は「諦める」or「ネット上で探す」のどちらかの選択肢を取るのですが、例えば定価7000円のチケットだったのに対してネットでは30000円で売っていたら、特に学生なんかでは早々に諦めると思います。
このようにして本来行けたはずの人が行けなくなることが起きてしまいます。そして転売ヤーのほうでも、例えばチケットを100枚手に入れたが70枚しか売れなかったといったことが起きます。

アーティスト側からすれば、それでもチケット代は転売ヤーが払っているので問題ないのですが、しかし当日にはグッズ販売があります。
現在の音楽業界では収入の多くがライブ・コンサート関連なので、この場合来れたはずの30人が来れなくなった分売上は当然減りますよね。

こうした売り上げ減がその後のアーティスト活動の幅を狭める結果となるならば、やはり高額転売はアウトなのではないでしょうか、

と僕は思います。


まぁしかし何だかんだ感情論が一番強い気がしますね(笑)

例えば

小学1年になる息子とはじめてライブに行くことにした。ライブ情報が出た半年前から息子はずっと楽しみにしていたのだが、即ソールドアウトでチケット入手に失敗。
しかしなんとかして息子をライブに行かせてやりたいと思い、ダメだとは分かりつつも高額転売サイトでチケットを購入。
ライブ当日を迎え、その日は午前中から新幹線で3時間以上かかるライブ会場へと出掛けていった。
そして夕方になりいよいよ開場したためチケットを係員に渡すと「これは不正が確認されたチケット番号なのでご入場いただけません」と一言。
その後どんなに頼もうとも取り付く島もなく、結局そのライブには入場できなかった。

こういうエピソードがやっぱり強いと思います。おそらく実際にこういった被害に遭われた方もいたことでしょう。

 

結局一番の被害者は我々観客です。
「行きたかったのにチケット取れなかった」「入場するためだけに住民票を取りに行かなければならない」「何も不正はしていないけど警備が厳重すぎてビクビクする」
こういったイヤな経験が全て少しでも高額転売の影響下にあるとすれば、やはり心地いいものではありません。

実際会場に出向くのはファンしかいないのに、そこで犯人探しのようにチケットをチェックするのも見せしめのようで気分のいいものではありませんが、だからこそ今後高額転売が無くなる方向に進めばいいと僕は願っています。